「優秀な人」の定義を社長から学校の先生まで様々な人に聞いてみた

「あの人は優秀だね」「優秀な人を採用したい」「優秀な成績ね」など、「優秀」という言葉を私たちは幼い頃から常に耳にしながら育ったように感じます。

「優秀」

つい気軽に使ってしまいがちな言葉ですが、一体「優秀な人」とはどのような人なのでしょうか?

企業の採用担当者には、「会社に利益をもたらす人のことでしょう」と呆れた顔をして突っ込まれそうですね。

(・・・ですが、採用担当者でさえ、はっきりとした「優秀」の定義がない場合があることを私は知っています。いわゆる「求める人物像」という自社にとってどんな人物が優秀な人なのか、という定義づけをせずに感覚で採用している会社も少なくありません。)

そこで、様々な分野で活躍している人達に以下の3つについて考えをを聞いてみました!

  1. 優秀な人の定義とは?
  2. その理由
  3. 身近に優秀な人がいたらどうするか

まずはお勤めしている方々にインタビュー!

1人目 大手企業に総合職として勤めるAくん(20代男性)

Aくん
Aくん

優秀な人の定義?なかなか深い質問だねぇ。

優秀な人は2タイプいると思います。「リーダーシップを発揮して最小のインプットで最大の成果を残す人」「手際よく仕事ができても、上司や組織にいいように使われてしまって忙しさに追われている人」です。同じ優秀な人には違いないと思いますが、人生への主体性が異なると思います。

もし身近にそういう人がいたら、前者は真似て、後者はそっとしておくかなぁ。

筆者
筆者

Aくんは日頃、こういった方々と一緒に働いているのでしょうか。同じ「優秀な人」でも後者には全く憧れませんね。そっとしておくという表現に優しさを感じます。

2人目 外資系企業で働くキャリアウーマンBさん(30代女性)

Bさん
Bさん

優秀な人=余裕がある人かなぁ。仕事の出来不出来は環境で変動してしまうと思うのね。会社や職種が変わるだけでも評価は変わるし。

人を巻き込んで新しい仕事を作れる人には憧れるけど、かといって、じゃあ先を読んで細やかなサポートができる人は優秀じゃないのか?っていうとそれも違うのよね。

優秀だなと感じる人の共通点を考えてみると、彼らはたいてい自分に自信があって、余裕がある。だから仕事に熱量がかけられたり、丁寧にできたりするのかなと。なので、人を率いる側でも、人を助ける側でも、余裕のある人が一番優秀に見えるかな。

身近にいたら、頼らせてもらうし、助けてもらいます(笑) あとは、そういう人に喜んでもらいたいと思う質なので、できることを見つけては声をかけて役に立とうとするかな。

筆者
筆者

おおお、滲み出るワーカホリック感…。たしかに精神的に余裕があってこそ、自己研鑽や他人への気配りができますよね。それが結果的に質のいいアウトプットに繋がるのでしょうか。

3人目 金融業界のトップセールスマンCさん(50代男性)

Cさん
Cさん

私が考える優秀な人の定義は仕事や相手をとても大切に考えているけど、何より自分が好きな人だと思います。

なぜなら、そういう人は自分の言動や行動に責任があり、仮に思いつきであっても、その結果を踏まえて次のアクションを起こすことができるからです。身近にそういう人がいたら、すぐに近づいて話をしてみますね。自分にとって苦手なタイプなら尚更です。

こうやって考えを言語化してみるのもいいですね。貴重な機会をありがとう!

筆者
筆者

人生経験とお人柄が溢れ出ています!!Cさんご自身にも当てはまりそうですね。こんな若造からの質問に丁寧に答えてくれて、お礼を伝えるのは私の方です。

4人目 IT企業で働くスーパーエンジニアDさん(20代女性)

Dさん
Dさん

普通のことしか思いつかなくて恐縮なのですが、優秀な人は、自分のタスクひとつひとつに、その目的や背景・周りの状況までよく理解できている人だと思います。

実体験が理由で、周りの先輩に多くいるんです。言われたことをそのままこなすのではなく、俯瞰的に見て影響や効果まで考えた及んだ意見で周りを動かし、全く別のアプローチで根本解決に繋がることが多くあるんですよね。

私もそうなりたいから、ひたすらトレーニングをするしかありません。困ったときは、彼らならどうするかを徹底的に考えて、論理的に組み立ててから質問するように心掛けています。ほとんどの場合で違うアドバイスをくれるので、考え方の答え合わせをして次に活かします。

筆者
筆者

すてきな職場で働いているんですね。求められるレベルが高そうですが、Dさんはきっと色々な努力をされてきたんですね。このコメントを先輩たちに伝えてあげたい…。いやぁ、私も謙虚に仕事に向き合おうと反省しました。

5人目 スーパーアシスタント!派遣勤務のEさん(20代女性)

Eさん
Eさん

優秀な人は、自分の自慢を言わず、仕事で見せつけてくれる人だと思います。本当に出来る人なら、過去の栄光にすがりつく理由もなければ、むしろ今が最高のパフォーマンスが出来る状態だと思ってるので、自慢にすら思わなさそうだからです。

身近にそんな人がいたら、一番はその人と出来るだけ仕事で関わるようにして、仕事のやり方を盗むように努めます

筆者
筆者

優秀っぽく見せようとする人と一緒に働いた経験があるのでしょうか。私も経験ありますが、そういう人と話すと正直疲れますよね。きっと劣等感の裏返しなのかもしれませんね。

6人目 中高一貫校で働く教育熱心なF先生(30代男性)

F先生
F先生

優秀な人の定義は、「何事からも積極的に学びとろうとする人」だと思います。

理由は、そういう姿勢をもつことで成長し続けられるからです。身近にいたら、その人がなぜ優秀なのかを観察し、考えることで、学びとろうとします!

筆者
筆者

おお、シンプル!私の通っていた高校では、ルーティーン化した授業が多く、正直つまらなかったです(ごめんなさい)。志が高い先生のもとで、勉強できる生徒さん達うらやましいな~。

個人事業主・経営者の方々にインタビュー!

7人目 自分らしく生きているフリーランスのGさん(30代女性)

Gさん
Gさん

私が考える優秀な人とは、多方面から物事を考えられ、そして選択出来る人です。

一方の意見を聞き、もう一方の意見を聞かずに決めつけたり、固定観念に縛られたり、最悪の事態を想定していなかったり、言われたまま考えもせずに実行したりなどが原因でトラブルになる場面をよく見かけますが、全ては思慮の浅さ、想像力の欠如が原因だと思うんです。目に見えるものが全てじゃないですよね。

優秀な人が近くにいたら、発想力を見習います。いろんな場合や可能性の話をして楽しみますね。

筆者
筆者

想像力って思いやりですよね。クリエイティブな仕事で必要とされるイメージですが、すべての人にとって大切な素養かもしれないですね。

8人目 人を見続けて40年以上!人事系会社のH社長(60代男性)

H社長
H社長

優秀の定義は、企業によって全く異なると思います。その企業が事業を展開する上で、必要とする能力を有している人、事業展開に多大な貢献をできる人のことを、その企業では優秀と言う言葉で表現するはずです。

また、同じ企業の中でも、職種によって、優秀の尺度は異なります。営業とコンサルタントでは期待される役割が全く異なるので、優秀の尺度も違って当然ですよね。例えば、バリバリの法人営業の会社であれば、元気が良くて、営業部隊を牽引できる人望のある人のことを優秀と言うはずです。

同じ事業でも、企業の成長段階によって従業員に求められる能力要件は異なります。事業の発展に伴い、求められる能力を身に着け、発揮できなければ、その人は窓際に座るか、リストラ対象と、いうことです。海外進出をしようと思ったら、その企業にとって、現地の言葉ができる人が必要になる、と考えると分かりやすいと思います。

大切なのは、どんなことからも学ぼうとする姿勢です。

筆者
筆者

様々な会社の人事を見てきた社長だからこその貴重な回答、説得力があります!厳しいながらも、自分の仕事のスタンスを考えさせられました。仕事頑張ります。

9人目 偏差値76!麻布高校に通うIくん(10代男性)

Iくん
Iくん

「優秀な人」はすなわち、「自由な人」だと思います。

一般的に「優秀な人とは?」という問いに対する答えとして用意されるのは、優秀な人であるために必要とされる素養に関するものだと思いますが、「優秀さ」を証明する素養を語るにはあまりに類が多すぎます。

それゆえ、僕は優秀であるがための共通点として「自由である人」と答えたいと思います。ただこの「自由である」という素養こそが、凡庸な思考に捕らわれず一般以上に成果を成す共通点なのかもしれません。(「優秀」よりは「天才」に近い定義かもしれませんね。)

優秀な人が近くにいたら、好きになります。

筆者
筆者

おお…。(何だろう、この圧倒的な説得力…。)

まとめ 優秀の定義は置かれた環境によって異なる

まずは今回ご協力してくださった皆さま、ありがとうございました。人によって様々な解釈がありますね。置かれている環境や経験の影響を多く受けていらっしゃるように感じました。

実は、過去に上司から言われた一言が今でも忘れられません。中途採用をしていた際に、いわゆる高学歴&輝かしい職歴の方がエントリしてくれたのです。「よくぞこんな小さい会社に興味をもってくれた!」と舞い上がり、すぐに上司に会わせた結果、面接中に「君は不採用だ。」と直接伝えられてしまいました。

面接後、「優秀な方だと思うんですけど、なんで落としたんですか?」と尋ねました。返ってきたのは「優秀って何だろうね」という言葉。恥ずかしながら、当時は「優秀な人」を狭い解釈でしか捉えられていなかったのです。今思えば、当時の上司はその人の本質的な部分を見抜いていたのだと思います。


今では「優秀な人」の特徴をこう考えています。それは「他人や社会に価値を提供できる人」。日々、色々な人と働く中で、誰かに助けられることがあると思うんです。例えば、アシスタントさんが気を利かせて作業してくれたり、上司や先輩のここぞという時のフォローなど。逆にいえば、自分もきっと誰かの役にたっていると思います。

それをどこまでブラッシュアップしていくかというのが、人それぞれ異なる「優秀」の定義だと思います。バリキャリのBさんやH社長も言っていますが、置かれている環境によって、求められることは違います。1つの場所で、うまく価値提供できなくても、別の場所では大歓迎されることも大いにあり得ますよね。

今回、インタビューに答えてくれた方々の共通点を挙げると、「自分の理想とする姿=優秀な人の定義」とされているように感じました。そこに向かって努力する謙虚な姿勢こそが優秀さに通ずるものだと思います。私も見習わなくては!